入札書の書き方|必須記載事項・封筒の書き方・提出ルールを徹底解説

入札書の書き方 記載事項・封筒・提出ルール(サムネイル) 実務ノウハウ

入札書とは、競争入札に参加する事業者が入札金額や必要事項を記入して提出する公式書類のことです。

入札書は一度提出すると変更・取消しができない、公共調達の中でも特に重要な書類です。金額の記載方法から封筒への押印まで、記載ミスや様式ルール違反が即座に失格につながるケースもあります。

この記事では、入札書の基本的な書き方から、封筒への記載方法・代理人入札時の手続き・よくある失敗パターンまで、実務担当者がすぐに使える情報をまとめます。初めて入札に参加する方だけでなく、これまでの手順を見直したい方にも役立つ内容です。


入札書の基本構成と必須記載事項

入札書の必須記載事項一覧(件名・金額・名称・押印・日時の5項目)

入札書には、発注機関が定めた様式があります。様式ごとに細かな差異はありますが、共通して必要な記載事項は以下のとおりです。

項目内容のポイント
件名(案件名)公告や入札説明書に記載された正式名称を正確に転記する
入札金額(落札希望金額)消費税抜き金額 or 込み金額かを公告で確認する
入札者の名称・住所登録情報と一致していることを確認する
代表者氏名・押印法人なら代表者印(実印)が必要なケースが多い
入札日・提出先公告に記載された日時・宛先を確認する

法務省が公式に公開している入札・契約関係書式では、入札書や見積書などの書類をWord形式でダウンロードできます。自社で様式を用意する際の参考として活用できます。


入札金額の書き方——「税抜き金額」の落とし穴

入札金額の記載方法は、案件によってルールが異なります。最も注意すべきは「消費税を含むかどうか」です。

入札金額(税抜き)を記載するケース

多くの官公庁では、入札書に記載する金額は「消費税及び地方消費税を含まない金額(税抜き価格)」 とされています。落札決定後、別途10%の消費税が加算されます。

関東財務局が公開している入札書類の記入方法では、記載すべき金額の考え方が具体的に示されており、様式の書き方を確認する際に参考になります。

「110分の100」記載の意味

一部の発注機関では、「記載金額は見積もった契約希望金額の110分の100に相当する金額を記載する」という表現が使われます(太田市の入札書記載例より)。

これは「税込み金額 ÷ 1.1 = 入札書に書く金額」と同じ意味です。たとえば税込みで見積もった金額が110万円であれば、入札書に記載するのは100万円です。公告に「110分の100」と書いてある場合は、この計算式で確認してください。

金額の書き方の注意点

  • アラビア数字で書き、金額欄の先頭に「¥」または「金」を記載するケースが多い
  • 改ざん防止のため、数字の前に「¥」「金」を付けるだけでなく、「−(ハイフン)」または「※」で余白を埋める様式もある
  • 万・千・百の区切り誤り、1桁の書き間違いは入札書の致命的なミスになる

押印・署名のルール

法人の場合

法人が入札に参加する場合、入札書への押印は原則として代表者印(法務局に登録された実印) を使用します。ただし、機関によっては届出印でよいケースもあるため、入札説明書で確認が必要です。

代理人が入札する場合

入札担当者が代表者ではなく代理人として入札する場合は、以下の点に注意が必要です。

  1. 委任状を別途提出する(委任状には代表者印を押印)
  2. 入札書への押印は、委任状の「受任者印」欄に押した印鑑と同一の印鑑を使用する
  3. 封筒への記名・押印も代理人が行う

徳島労働局が公開している入札書封筒作成の案内には、代理人が入札を行う際の封筒への押印ルールが具体的に示されています。委任状と入札書で使用する印鑑が一致していないと失格になるため、複数の担当者で確認することをお勧めします。


封筒の書き方と入れ方

入札書を封筒に入れて提出するまでの手順図(記載・封入・封印・朱書きの4ステップ)

入札書は開封前に内容が漏れないよう、所定の方法で封入・封緘する必要があります。

封筒表面に記載する内容

千葉労働局の入札説明書を参考にすると、封筒表面には以下を記載します。

  • 入札件名(案件名)
  • 入札日
  • 入札者の会社名・担当者名
  • 表面中央付近に「入札書在中」と朱書き(赤字)

封筒裏面の封印

封緘(ふうかん)した封筒の裏面、継ぎ目(合わせ目)3か所に封印(会社印または押印)を押すことが求められる場合があります。これは開封されていないことを証明するためのルールです(国税庁が公開している入札関係書類の案内より)。

封筒サイズ

長形3号(長3)が一般的ですが、案件によっては指定サイズが異なる場合もあります。入札説明書に封筒サイズの指定がある場合は必ず従ってください。


入札書提出後のルール——変更・取消しは原則不可

入札書を提出した後は、原則として「入札内容の変更」や「入札の取消し」はできません。これは入札の公正性を担保するための基本ルールです。

国税庁が公開している入札関係書類の記載例にも、提出後の変更・取消し不可が明記されています。

提出前の最終チェックリスト

入札書提出前の最終確認フロー(案件名・金額・押印・封筒の順でチェック)

入札書を封入する前に、以下を必ず確認してください。

  • [ ] 案件名は公告の正式名称と一致しているか
  • [ ] 入札金額は税抜き・税込みどちらで書くのか確認したか
  • [ ] 金額の単位・桁数に誤りはないか
  • [ ] 代表者名・会社名・住所は登録情報と一致しているか
  • [ ] 押印した印鑑は所定のものか(代理人の場合は委任状と一致しているか)
  • [ ] 封筒に「入札書在中」と朱書きしたか
  • [ ] 封筒裏面に封印を押したか(求められている場合)
  • [ ] 提出期限・提出場所を再確認したか

様式の入手方法と電子入札の場合

紙入札と電子入札の入札書の違いを比較したカード図(封筒・押印の有無など)

紙入札の場合

様式は発注機関のウェブサイト、または入札説明書の配布時に合わせて提供されます。法務省の入札・契約関係書式のように、Word形式でダウンロードできるケースが多く見られます。様式が見つからない場合は、担当部署に直接問い合わせて最新版を確認するのが確実です。

電子入札の場合

電子入札システムを使用する場合は、システム上の入力フォームに直接金額や必要事項を入力します。紙の入札書と同様、送信後の変更はできないため、入力内容の確認は慎重に行ってください。電子入札では封筒の用意は不要ですが、ICカード(電子証明書)の有効期限と、システムへのログイン方法を事前に確認しておくことが重要です。

内訳書を添付する場合

発注機関によっては、入札書とともに内訳書(積算内訳書)の提出を求めるケースがあります。国土交通省では、公共工事の入札において入札金額の内訳書提出を義務付けています(国土交通省:公共工事の発注における入札金額の内訳書について)。内訳書の作成方法については入札内訳書の書き方の詳細記事で解説しています。


よくある失敗パターンと対策

入札書でよくある失敗パターンと対策を示したカード図(税込み金額ミス・印鑑違いなど)

入札書の記載ミスで失格になるケースには、一定のパターンがあります。

失敗パターン具体的な問題対策
金額の税込み・税抜きミス公告では税抜き記載なのに税込み金額を書いた入札説明書の金額記載ルールを事前確認
印鑑の種類ミス委任状と入札書で使用した印鑑が異なった委任状の受任者印と一致しているか照合
案件名の転記ミス公告の正式名称と異なる略称を記載公告・入札説明書から正式名称をコピーして転記
封筒の朱書き漏れ「入札書在中」の記載がないチェックリストで封筒封入前に確認
提出期限の勘違い入札書の提出期限と開封日を混同カレンダーに「提出締切」と「開札日」を別々に記録

積算(価格の見積もり)の精度が入札書の金額に直結します。積算の手順や考え方については入札の積算方法の解説記事も参考にしてください。


よくある質問(FAQ)

入札書に記載する金額は消費税を含むのか?

多くの官公庁の一般競争入札では、入札書には消費税を含まない金額(税抜き価格) を記載します。ただし「110分の100の金額を記載」という表現が使われる場合も同義です。公告・入札説明書に必ず記載されているため、案件ごとに確認してください。

代理人が入札書を提出する場合、必要な書類は何か?

代理人が入札に参加する場合は、委任状と入札書の2点が必要です。委任状には代表者印、入札書には委任状の受任者印と同じ印鑑を押します。封筒への記名・押印も代理人が行います。委任状の書式は発注機関が指定することが多いため、事前に様式を入手してください。

入札書を提出した後に金額を変更することはできるか?

提出後の変更・取消しは原則できません。 入札書の提出は最終的な意思表示とみなされるため、封入前に必ず金額・記載内容・押印を確認してください。電子入札の場合も送信後の変更は不可です。

電子入札と紙入札で入札書の書き方は変わるか?

基本的な記載項目(案件名・金額・入札者情報)は共通ですが、紙入札では封筒への記載・封印が必要なのに対し、電子入札ではシステム上の入力フォームに直接記入します。押印はICカード(電子証明書)による電子署名に置き換わります。案件の公告で「紙入札」か「電子入札」かを確認したうえで対応してください。

公式の入札書様式はどこで入手できるか?

発注機関のウェブサイト、または入札説明書の配布時に提供されます。国の機関では、法務省の入札・契約関係書式のページのようにWord形式で公開されているケースがあります。各省庁・自治体のウェブサイトの調達・入札情報コーナーを確認するか、担当窓口に直接問い合わせると確実です。


まとめ

入札書の書き方で押さえるべきポイントを整理します。

  1. 金額の記載方法:税抜き・税込みどちらかを公告で必ず確認する
  2. 押印ルール:代理人入札では委任状の受任者印と一致させる
  3. 封筒の書き方:「入札書在中」の朱書きと封筒裏面の封印を忘れない
  4. 提出後の変更は不可:封入前のチェックリストを徹底する
  5. 様式は公式から入手:発注機関の最新版を使用する

入札書の記載ミスを防ぐためには、案件ごとに入札説明書を丁寧に読み、公告の要件を確認することが基本です。また、入札参加前の段階では案件の選定・積算・書類準備と、やるべきことが多岐にわたります。

入札の勝率を高めるための戦略については入札で成果を出すためのコツをまとめた記事も参考にしてください。


入札書の準備と並行して、案件そのものを効率的に探す仕組みを整えることも重要です。官公庁のサイトを複数巡回して案件を確認する作業は手間がかかり、締切の見落としにもつながります。

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